岩渕農園のご紹介Iwabuchi Orchard
岩渕農園は、青森県津軽平野の南方にあります。平川市は三方を山に囲まれ、北西に津軽富士と称される岩木山、東に映画でも知られる八甲田山系を眺望できます。また天気の良い日には世界自然遺産、白神山地の稜線を垣間見ることもできます。
品評会で優賞を頂けるまでになりましたIwabuchi Orchard
子供のころ手伝いに連れられて行ったりんご園は、私にとって虫を探したりかけまわったりできる一番身近な遊び場でした。幼少時代、多くの時間を過ごしたりんご園の豊かな四季折々は、私にとって原風景として大切なものです。 若い頃は、農家の長男として育てられ後継ぎを強いられることに反発して都会へ出たこともありました。ちょうどその時、『りんご台風』が青森県を直撃しりんご農家に大打撃を与えたことが大きく報道されたのですが、どこか他人事のように思えていました。 けれども久しぶりにりんご園に立った時、その土の匂いに、木々を揺らす風に、幼少時代の原風景を思い出し、父親以上のりんごを作ろうと決めました。
冬の大雪、開花時の低温、夏場の高温、収穫時期の長雨など、メリハリのある気候が特徴の津軽地方。りんご園での作業はこの天候との戦いでもあり、実際に父に付いて始めたばかりの頃は両親の苦労が身に染みました。りんごの苗から実をつけるまで3〜5年かかりますが、そのりんごの苗のように、私も3代目園主として枝の形、実のなり方、葉っぱの付き方、木一本一本に特徴があるりんごのことを知ろうと頑張りました。
そして営農して14年、毎年開催されている青森県りんご品評会「葉とらずふじ部門」で優賞(青森県知事賞)を受賞することができました。
[これまでの受賞歴]
平成21年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 金賞
平成23年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
平成24年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 金賞
平成25年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
平成26年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
平成27年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
平成28年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
平成29年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
平成30年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
令和3年度 りんご品評会葉とらずふじ部門 優賞
千本の木を剪定しなければ一人前になれないIwabuchi Orchard
毎冬、腰くらいに積もる雪をかき分けて約2.5haのりんご園の約1000本のりんごの枝を丁寧に剪定していきますが、その際に参考にするのが前年一年間の葉の様子と木の体調ともいえる樹勢です。
毎日作業しながら一枚一枚の葉を観察し、その様子から樹勢を読み取り、それをもとに枝を剪定します。それは言葉を話さないりんごの木との言葉のない会話です。ようやくりんごの言葉を理解でき始めたかなと感じるまでには、相当の経験を要しました。「千本の木を剪定しなければ一人前になれない」と云われるのはもっともなのかもしれません。
『りんご栽培の奥義』は、経験と技術を必要とする枝の剪定だと思っています。というのも通常栽培のように葉を摘まない代わりに、葉っぱや実の付き方や樹勢がとても重要となってくるからです。
花のつく春、葉が繁る夏、果実が実る秋の姿を想像し、日当たりや風通しを考えて剪定します。このさじ加減一つで木は良くも悪くもなるのです。そして「葉とらず」とは思えない色づきを目指して努力しています。
このように育てた大事なりんごの収穫もまた気を使う作業。収穫時期の理想は、葉っぱが紅葉し始め(緑、黄)、着色したりんご(赤)とりんご園に三色の色が混在しているときで、系統ごとに異なるりんごのひとつひとつの色や、触ったときにごつごつした感覚(いぼり)のあるものを選んで収穫します。
農薬の使用についてIwabuchi Orchard
岩渕農園では化学合成農薬の使用回数を、青森県の慣行栽培基準の2/3以下に抑えています。栽培期間が長いため、農薬削減がとくに難しいのがりんごです。りんごは花のつく春から収穫まで病害虫の心配がつきません。一度病気や害虫が広まると、薬を使っても数年は木がもとに戻らないことも。それでも、安心して食べてもらえるおいしいりんごを届けたいので、手間が増えても農薬を減らすよう努めています。
美味しいりんごの見極め方Iwabuchi Orchard
皆さんが店頭で入手できるりんごは、いろいろな生産者の方のいろいろな熟期のものです。熟したらとてもおいしいりんごが、熟す前に販売されて市場から消えていくこともあります。
消費者である皆さんが美味しいりんごを手に入れるためにできることは、私たちのような「生産者でりんごを選ぶこと」だと思います。それは流通に左右されずに、生産者が熟期を見極めて収穫したりんごだからです。
食べておいしいりんごの赤色は黄色の混じった赤で、縞が入ったりんごのほうが全体に味のブレが少ないです。皮が薄くて歯ごたえが良く味の濃さが違います。そして究極のりんごは手に取った時に、しっとり重く、触った感じがごつごつしています。 当園で出荷するりんごも、皆さんのお手元に直接届く物なので、いちばん美味しく頂けるタイミングで収穫したものをお届けしています。
園主自ら選別してお客様へお届けしますIwabuchi Orchard
お客様にお届けする段ボールに詰められた状態のりんごを選別するのは園主の私が行います。手に持った時の重さ、見た目、手触りなどで総合的に判断し、僅かな違和感を持ったりんごは弾き、自信を持ったりんごのみをお届けするように努めています。
農園によっては通常、作業員の方が選別し、りんごの段ボール詰めを行いますが、当園では園主の私が1人で行います。1人での作業のため、発送まで時間がかかってしまう事や、発送出来る数に限りが出てしまいますが、長年りんごを育て、自ら選別作業をしてきたからこそ微妙な違和感などに気づくことが出来、事前に弾く事を可能にしています。